PFOS・PFOA、水道水の水質基準項目へ
- 坂本裕尚
- 2月11日
- 読了時間: 2分
環境省は2024年12月24日、「水質基準逐次改正検討会」と「PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議」の合同会議を開催し、「水道水におけるPFOS及びPFOAの取扱いの改正方針等について(案)」を審議しました。

PFOS・PFOAの水質基準化へ
PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、これまで水質管理目標設定項目とされていましたが、新たに水質基準項目へ格上げされる方針です。これは、より厳格な管理体制を確立し、水道水の安全性を高める狙いがあります。
基準値については、内閣府食品安全委員会が設定した耐容一日摂取量(TDI)をもとに、現在の暫定目標値と同じ 1リットルあたり50ナノグラム(ng) を提案しています。
検査頻度と施行時期
水道水中のPFOS・PFOAの検査頻度については、基本的に 3カ月に1回 の実施を求め、これらの化学物質が検出される可能性が小さい場合には 6カ月に1回 に軽減できるとしています。施行時期については 2026年4月1日を予定しており、今後の議論で確定する見込みです。
その他の化学物質の取り扱い
さらに、化審法で第一種特定化学物質に指定されているペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS) については、引き続き要検討項目とし、水道水中での検出状況を継続的に監視することになりました。
今後の展望
PFOSやPFOAは、撥水・撥油加工や消火剤などに広く使われてきましたが、その環境残留性や健康リスクが懸念されています。今回の改正方針が正式決定すれば、水道水の管理基準がより厳格化され、安全性の向上につながることが期待されます。
引き続き、動向に注目が集まりそうです。