廃棄物処理法 法改正 2025 ~省令が公布~
- 坂本裕尚
- 5月19日
- 読了時間: 4分
更新日:6月9日
2025年4月22日、廃棄物処理法改正の施行規則の一部を改正する省令が公布されました。
本改正は、
① 電子マニフェストの再資源化の報告義務と、
② 処理委託契約書の記載内容の改正がありますが、
②の方は対象会社が限定的ということもあり、今回の記事は①の電子マニフェスト報告についてのみご案内します。
本改正は、2027年4月1日の施行(予定)となります。
廃棄物処理法改正の内容
改正内容は、処分業者が電子マニフェストで最終処分の報告をする際の報告内容として、以下の報告が義務付けられます。(紙マニフェストは対象外)
① 処分方法
② 処分方法ごとの処分量
③ 処分後の産業廃棄物又は再生される物の種類及び量
この文章だけでは、なかなか想像がおよばないかもしれませんので、以下の図をご覧ください。
【法改正前】

この情報では、中間処理業者と最終処分業者のそれぞれの場所と処分した日はわかりますが、以下の情報はわかりませんよね?
処分方法は?
再資源化されたの?
どれくらいの量が再資源化されたの?
最終処分されたのは、どのくらいの量?
⇩
それに対して、改正後は、以下の情報がわかるようになります。
処分に関わる業者名
処分方法と処分した量
再資源化物を含む中間処理後物の種類・量
最終処分した物の種類・量
【法改正後】

法改正で得られる効果
この法改正で、
廃棄物を「誰が」処理したか
廃棄物が「どのように」処理されたのか
廃棄物が「なに」に「どれくらい」なったか
が排出事業者に伝わるようになり、
つまり、
従来の情報 に加えて、
再資源化等の情報
を排出事業者は把握できるようになります。
環境省の狙い
前項の効果でも伺い知れるかもしれませんが、パブリックコメントの回答に以下の回答がありましたので、ご紹介します。
(環境省回答)
再生に係る情報の追加により、排出事業者責任の貫徹による適正処理の推進されるとともに、資源循環の促進に資する情報の蓄積と活用が図られ、再資源化の促進につながるものと考えています。
電子マニフェストに処分方法や再生に係る情報が追加されれば、廃棄物の処理・資源循環の態様が地域ごとにも全国的にも簡易かつ適時に把握できるようになり、資源循環の促進に大きく貢献できると考えます。
■官報
■パブリックコメント
JWNETの任意項目としての運用
JWNETでも本改正に向けて、今月(2025年5月)から当該項目が任意項目として追加されました。

2025年5月6月から施行前の2027年3月31日までは任意項目
2027年4月1日(施行)からは必須項目
■JWNET
まとめ
今回の法改正で対応する事業者は処分業者となりますが、排出事業者はその報告を受けて、より再資源化されている処分業者への処理委託が進むかはどうなるでしょうね?
この次の環境省のアクションはより脱炭素を推進している処分業者への処理委託の促し、というところでしょうか。
その前に、処分業者のCO2排出量の見える化を義務化しないといけないかもですね。
坂本裕尚

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